林シェフ季節のご挨拶

2021,01,15

新年を祝う「ガレット・デ・ロワ」、
皆様、お楽しみいただけましたでしょうか?
フェーヴはどなたに当たりましたでしょうか?
今年は800台ものガレットを焼きました!!
ありがとうございました!

今年は、ご家族や親しい方で切り分けることの幸せを
あらためて感じられた方もいらっしゃったのではないでしょうか。

例年、ご友人を招いてガレット・デ・ロワパーティーをされていた方が
今年は泣く泣く、ガレットパーティーは中止にされたと伺いました。
高齢のお母様が、この新年のパーティーを楽しみにしていて
ともに年齢を重ねるお友達たちと集うことを励みにされていたとか。
「みんな生き延びて、また来年のガレットパーティーで!」と
互いの無事をお祈りし、来年の再会を楽しみにされているそうです。

本当ですね、以前のように、たくさんの方々が賑やかに集って
ガレット・デ・ロワパーティーのできる幸せが取り戻せますように!


さて、ガレット・デ・ロワは1月6日の公現節エピファニーのお菓子、
フランスでは、この年中行事は人々の暦に根付いていますので
映画などにも登場します。

最も有名な映画は「シェルブールの雨傘」でしょうか。
ジャック・ドゥミ監督1964年カンヌ映画祭のパルム・ドールに輝いた作品、
全編、セリフが歌になっている、いわゆるミュージカル映画です。

若い世代で映画についてよくご存知ない方でも
有名なテーマソングを聴いたことのある方は多いのではないかと思います。

フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴの出世作、
どのシーンもドヌーブの美しさが際立っています。

ガレット・デ・ロワが登場するのは、
ドヌーブ演じるジュヌヴィエーヴに一眼惚れした宝石商のローランが
彼女の家でエピファニーの夕食を楽しむシーン。
食後にガレット・デ・ロワを切り分けます。
フェーヴを当てたのはジュヌヴィエーヴ!
王冠を被ったジュヌヴィエーヴは、ローランに向かって
「あなたは私の王さまよ」と歌って、目を伏せます。
ローランは、美しいジュヌヴィエーヴを熱く見つめています。
このときのジュヌヴィエーヴが切ない表情をして目を伏せるのが
二人の悲恋を暗示しているかのようです。

時には恋の発端にもなるガレット・デ・ロワパーティー、
このお菓子が人々の人生の一コマとなっているんだなあと思うと
とても幸せな気持ちになります。

来年は、親しい方が集まって切り分けられますように!
緊急事態宣言の中、皆様のご無事とともに
心より願っております。

ガトー・ド・ボワ オーナーシェフ 林 雅彦

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