2009-4
林雅彦シェフ 季節のごあいさつ

◆◇◆ 心悟、本当にありがとう! ◆◇◆

スーシェフの中野心悟が、故郷・北海道での出店のため、3月末で退社いたしました。
心悟との10年を振り返るとあまりにたくさんの思い出があって、いろいろな思いが胸に溢れてきます。

心悟とのこの10年は、ボワにとっても、私自身にとっても大きな転換期にありました。辛く、苦しく、本当に、本当に大変な時期に、かたわらで心悟が支えてくれたこと、私を信じて黙ってついてきてくれたことに、どれだけ励まされ、次の一歩を踏み出す勇気を与えてくれたことか。今のボワは、心悟の存在なしにはあり得ませんでした。

一番の思い出はやっぱりガレットコンクールの優勝。あれは本当にうれしかった!心悟のボワでの10年が、あんなに晴れやかな場で評価されたことは感慨無量でした。そして今年のエピファニーでは1メートル近いガレットを焼いて東京まで運び、フランス大使に献上。心悟のおかげで最後にとてもいい経験をさせてもらいました。東京までの道すがら見た凛とした富士山とともに、生涯忘れられない思い出となりました。

決して器用な人間とは言えないのに、努力に努力を重ねて一歩ずつ技術を高めていく。根気強く、ひたむきで、まじめで誠実-------心悟の仕事に取り組む姿勢はまさに職人気質そのもので、これこそ男の美学だと私は思います。器用に立ち回るのがカッコよさではないと、下の子たちにその背中で示してくれました。

そして私が何よりも素晴らしいと思うのは、心悟の人間的な素直さ。ある若いミュージシャンが言っていたのですが、「自分より巧いやつはいっぱいいた。でも彼等が世に出られず、自分が成功をおさめることができたのはなぜかと考えると、自分は、人の話を聞くことができた。人を理解していこうとすることができたからだと思う。」これを聞いた時に、心悟のよさはここにあると思いました。

こだわりや頑固さも大事です。でも、職人やアーティストといった、ものをつくったり、表現していく人間の創造性の源は、素直さを持ち続けることにある。これがとても大事なことだと、心悟を見ていて心底思うのです。

いつも言うように、我々の仕事には「完璧」はありません。今日より明日、明日より明後日と、たゆまず努力を続けて技と心を磨いていかなければなりません。だから100%はない。いつも100%を目指し、あと数%を埋める努力を永遠にし続けなくてはならない、そういう厳しい仕事です。心悟はそれができると信じています。

心悟の旅立ちを心から応援したいという思いとともに、どうしようもなく寂しさがこみ上げてきます。でも、ガレットの集まりの時に、西野さん(「メゾン・ド・プティ・フール」西野之朗シェフ)が、「でも、北海道に行く所ができてよかったじゃない!」と言ってくれて、みな口々に「そうだよ!みんなで心悟に会いに行こう!」と言ってくれました。誰からもかわいがられた心悟、あれはうれしい言葉でした。よし、みんなで北海道に会いに行こうな!

最後に。
心悟、今までよく辛抱してくれたな。これからは思う存分、好きにやれ!お前の味覚は本当にすごい、もっと進化していけるはず。自信を持って「中野心悟の菓子」を作ってほしい。
オーナーとしてこれからたくさんの困難にぶち当たると思う。でも、また辛抱して、根気強く、ひたむきに、心悟らしくがんばれ!
奈良と北海道、距離は遠く離れるけれど、これからはオーナー同士、心は今まで以上に近くなる気がする。オーナーになってからは長丁場、四十を過ぎても、五十を過ぎても、何歳になっても絶対に目標を持つことを忘れるな!

心からのエールを送りつつ-------心悟、本当にありがとう!!
Bon courage !

ガトー・ド・ボワ オーナーシェフ 林 雅彦

2009-4
林雅彦シェフ 季節のごあいさつ

◆◇◆ 別れと出会いの春でした! ◆◇◆

3月31日、本店では閉店後、みんなでごちそうを持ち寄って、
中野心悟の送別会が行なわれました。
感謝の気持ちとたまらない寂しさと、心悟の旅立ちを祝う気持ちと、
スタッフみんなの熱い想いが、いつものパワーとなって全開!
大いに盛り上がりました~!!

食べて、飲んで、騒いで、女装するヤツもいて(しかもなかなかの美人!)、
最後はカラオケで歌いまくり、明け方まで!
久々、イクトコロマデイッタ、という感じでした。






中野心悟は故郷の十勝に帰り、ご実家の経営するペンションの隣に
今年の初夏、お菓子屋さんを開く予定です。
詳細が決まり次第、お知らせさせていただきます。
頑張れ!心悟!! 

そして、4月1日、ボワでも新年度が始まりました。
新入社員も加わって、新生ボワのスタートです!

心悟の後、ボワを引っ張るのは、
増山尚子、塩見久美子、東塚基史の同期三人組。
ボワの伝統を引き継ぎ、心悟が育てたボワの魂を受け継ぎ、
お客様により喜んでいただけるお菓子を作り続けるには
この三人の頑張りが不可欠です。
ここまでの経験を生かしながら、お互いに競い、
励まし合いながら、さらに成長してほしいと思っています。

器用さ、手際や要領のよさも大事なことですが、
まじめさ、ひたむきさ、誠実さこそ私は評価します。
技術を本当の高みに押し上げようと思うのなら、
必ず「心」が問われてくると信じるからです。
お菓子には人柄が表われます。
お客様に本当に喜んでいただけるお菓子とはなにかを
いつも真剣に心に問いかけながら、
新一年生から最年長三人組まで、みんなで力を合わせて
新しいボワを作っていきたいと思っています。

今後のボワに、ぜひご期待ください!
どうぞよろしくお願い申しあげます。

ガトー・ド・ボワ オーナーシェフ 林 雅彦


新人歓迎会の写真です。新一年生がどんなキャラでボワに新風を吹き込むか楽しみです!
どんどん世代ギャップですが、みんなから若さをもらって頑張ります~!


塩ちゃん(塩見)のつくったウエディングケーキ3点です。
お客様にも大変に喜んでいただきました。
スタッフひとりひとりが自分の長所を思う存分発揮して、みんなの個性が熱いチームワークでがっちりと肩を組み合っている------そんなボワでありたいと思っています。


オーナーシェフ林雅彦  オーナーシェフ林雅彦

 

 

 

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